毎月第三土曜日 午後1時30分より
枚方市民会館 3階・第5会議室に於いて
長谷川 潤 先生による「歴史講座」が開催されています。
平成26年3月15日 第29回講
第一部 【幕末・西力東侵】
-尊皇攘夷の大義名分-
『「西欧米物質文明」の勃興 』
(「資本主義」「重商主義」の台頭)
貧しい島国「英国」での「金が金を生む」経済。
政治、特に軍事には資金が多額の必要。
(「産業革命」の成功と波及)
英国で「より儲ける為の」技術革新と発明。
超自然的動力(蒸気機関)の発明と改良。
(対外進出、侵略の横行)
国内需要を超える生産量を輸出に回す。
確実な「製品輸出先」「原材料輸入先」の確保。
産業革命で高度化した武器と軍事力で非欧米地域に浸出、侵略。
英国は「七つの海を支配」。
『「日本文化圏」の確率 』
(所謂「鎖国」に因る国内社会の一体化)
二百年に及ぶ天下泰平で共通文化の普及。
「元禄文化(上方)」から「化政文化(江戸)」
「日本的価値観」「情感」の醸成。
(「自給自足」経済の充実)
所謂「完全循環型社会」で全産業が自給自足。
豊穣の自然山河が、経済のみならず文化にも。
(日本文化の高度化、洗練化)
学問(國学、儒学、心学、天文、和算、化学等)
文学(浮世草子、俳諧、狂歌、川柳、紀行文等)
芸能(歌舞伎、能楽、人形浄瑠璃、邦楽等)
建築(和風建築、庭園、石積、彫刻、壁画等)
『我国の國防対策』
(武家政権、幕府の基本は「尚武」の精神)
国民の一割が武士階級。護るべきものの為に命を賭して戦う教育と訓練を受けて居た。
「武門の恥」との意識、即、国防意識。
(北方探検調査、と日本全図の作成)
八代将軍吉宗公は外国に強い興味を示す。
九、十代将軍に仕えた田沼意次は、蝦夷地開発や対露貿易の為に我國北辺を調査させた。
松平定信公以後も、北方を探検、調査させる。
「最上徳内」「近藤重蔵」(道東、千島方面)
「間宮林蔵」(樺太方面。大陸内部迄、探検)
「伊能忠敬」(大日本沿海與地全図)の測量、作成。
(欧米文物の採用)
「蘭学」の普及。-「本草学」の展開ー
欧米的武器の採用、生産、後に兵制の採用も。
外交重視、情報収集の強化。
『尊皇攘夷の実戦、実行』
(「水戸学」の隆盛)
徳川光圀公の命に依る「大日本史」編纂。
儒学に基づく「大義名分」論に拠る尊皇思想。
ローマ帝国帝室内部でのクリスト教化と相似。
(「孝明天皇」の御意志)
御在位、弘化三年より慶應二年迄、二十年間。
強烈な愛國、愛民の思し召し。
尊皇攘夷の将軍、大名、公家、武士等に影響。
(所謂「黒船来航」) 嘉永六年、米国ペルリの浦賀来航、開国要 求。
翌、嘉永七年「日米和親条約」締結。所謂 開国。
(欧米の侵略に因る社会混乱と攘夷の実行)
安政五年、「日米修好通商条約」締結。
元治元年、四カ国艦隊の下関一時占領。撃 退。
文久三年、英国艦隊の鹿児島砲撃。英国被害。
慶應二年、幕府に依る「長州征伐」失敗。
慶應三年、「大政奉還」、幕府の全国支配終幕。
(攘夷運動の成果)
日本民族に國體観念、独立意識を殖植した。
欧米列強に日本への侵略が不可能と教える。
後の日本民族に、唯一、非植民地化の栄光を。
第二部 | |
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昨今の国内情勢 | |
所謂「ウクライナ危機」 |
『「分からない」事を自覚せよ』
(ウクライナの何を知っていますか)
面積、人口、民族、言語、宗教、産業等々。
「知らない」のが正解です。複雑過ぎて不明。
(世界には無数のウクライナ有り)
単一民族国家たる日本民族に認識不能の国多し。
だが、知らねば、世界の情勢を理解出来ない。
『国際問題の判断は自国の國益から』
(欧州連合には各々の、ロシアには自国の国益有り)
欧州連合ー反露の歴史と現在の理念からの反発。
所謂「エネルギー」依存の実態。
ロシアー歴史的経緯と軍事的必要性から。
米 国ー世界の警察。自国の価値観を強要。
(日本の対露国益は「北方領土」)
現下、偽日本の対応。「中途半端」「どっち着かず」、判断不能。
一応は米国寄り。
だが、ロシアは我国の「北方領土」を侵略中。
(「対ロシア包囲網」の構築を)
国際社会の常識は「敵の弱みを衝く」で有る。
ロシア周辺諸国と連携、ロシアに圧力を掛けて、初めて、
領土交渉の糸口は開かれる。
(我國の未開発資源はシベリアに有り)
シベリアはロシアの植民地にして、正当な領域に非ず。(レーニン
「帝国主義論」図表参照)
我国は、シベリアへの利権を保有している。
『今後も』継続発生する同種の国際問題
(一見して敵味方不明の国際問題)
国益不問の国際問題には関与すべからず。
(独立国家ならば、旗色は常に闡明可能で有る)
国益に即して、関与、不関与の立場は闡明。
国益に関しては、国家の利害を主張すべし。